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ベトナム人技能実習生の特徴は?受け入れのポイントも解説

今、日本で最も多い外国人労働者はベトナム人です。そしてその約半数を技能実習生が占め、今後も受け入れが増えるだろうと予想されています。今回はベトナム人技能実習生がなぜ多いのか、また技能実習生として働くベトナム人の国民性や特徴、日本との関係性などについて解説します。

日本でベトナム人労働者の雇用が多い理由は?

厚生労働省の発表によると、2021年10月末時点の日本で雇用されているベトナム人労働者は45万3,344 人 、外国人労働者数全体の26.2%を占めています。受け入れが多い印象の中国はベトナムに次いで2位の39万7,084 人 (同23.0%)、フィリピンは 19万1,083 人 (同11.1%)でした。そして、ベトナム人労働者のうち技能実習生は20万人を超えています

なぜ、日本ではベトナム人労働者の雇用が多いのでしょうか。
一昔前は技能実習生の多くは中国人人材でした。しかし、中国の急速な経済発展によって富裕層や中間所得層が増え、日本へ渡る中国人技能実習生が減ってきたといわれています。その欠員を補充するようなかたちで、たくさんの日本企業は新興国であるベトナムから人材を受け入れるようになり、ベトナム人の技能実習生が増えたと考えられています。
また、技能実習生や留学生として来日したベトナム人の多くが特定技能の在留資格に移行していくこともここ数年での特徴です。長引くコロナ禍でベトナムへの帰国が制限され、日本で働き続けようとしたことが背景にあるようです。

ベトナム人技能実習生が日本を選ぶ理由

ベトナムは新興国であり、日本はベトナムにとって最大の援助国です。ベトナムに進出している日系企業も多く、たくさんのベトナム人が現地の工場で働いています。また、ベトナム国内で開発・販売されたベトナムブランドの自動車やスマホもありますが、数はそれほど多くなく、むしろバイクをはじめ家電製品から化粧品、アニメ・漫画に至るまで日本の製品や日本の文化が浸透しています。そのため、日本に親近感を持つベトナム人は多く、また日本で技術を学びたいと考える若者も数多くいます。
その他にも、地理的に行き来がしやすい距離であることや治安が良いとされることも、ベトナム人技能実習生が日本を選ぶ大きな理由としてよく言われるところです。

ベトナム人の国民性や性格は?

人それぞれパーソナリティは違いますが、ベトナム人の国民性や性格を説明する際によく言われるのが頭文字をとって表す「6K」というキーワードです。ベトナム人材を雇用するうえで、ベトナム人の国民性や性格を知っておくことも大切ですので、参考にしてみてください。

・器用

縫製や刺繍がベトナムの伝統工芸として有名なとおり、ベトナム人は手先が器用な人材が多いと言われています。細かい作業が得意であることを生かして、ネイルやまつ毛エクステなどを展開する海外のサロンで活躍する人も増えています。

・向学心旺盛

ベトナム人は好奇心が旺盛で真面目な人が多いと言われています。現在のベトナムの若者たちは、親が戦争で苦労した世代です。自分がしっかり働いて稼ぎ、家族を養おうと考える傾向にあります。そのため、給料の高い外資系企業での就労を目指し、英語をはじめ、日本語や韓国語、フランス語などの外国語を学ぶ人がたくさんいます

・近視眼・計画性が足りない

ベトナム人は目先のことを見てしまい、計画性が足りないと思われる部分もあるようです。これは戦争や先の見えない長い植民地時代の影響もあると言われています。一方で即断力や行動力があるという側面もあります。

・かかあ天下

ベトナムでは性が一家の大黒柱としての責任を担っているケースが多いというのも特徴です。会社の管理職も女性のほうが多いことから、「かかあ天下」と表現されることもあるようです。

・コネ社会

コネ社会というと悪いイメージもありますが、長い植民地支配下や戦時下を生き抜くために、自らの家族を大切にし、頼り、コネを十分に活用するという考え方が根付いていると考えられます。暮らしのさまざまなシーンはもちろん、ビジネスの上でも家族や血縁、人脈を大切にしています。

・交渉上手

ベトナム人は交渉上手としても有名です。相手を自分のペースに巻き込むことに長けているので、ビジネスでもその手腕が期待されます。

ベトナム人技能実習生を雇用するポイント

コミュニケーションを十分に図る

ベトナム人は家族を非常に大事にする国民性があります。そのため、母国を出てひとり働く日本で家族のように扱ってくれる日本人や会社には、期待に応えようと努力を惜しみません
また、多くのベトナム人は人付き合いを大切にします。同僚や上司との食事や会社のイベントにも積極的に参加し、楽しんでくれるでしょう。近年の日本ではそういった交流は希薄となりつつあり、さらにコロナ禍では難しい側面もありますが、ベトナム人技能実習生と日本の従業員たちを含めた職員のコミュニケーションへの取り組みが、ベトナム人技能実習生にとっても受け入れ企業にとってもプラスに働くと考えられます。

目標を明確にすること

向上心が強いベトナム人は、仕事でも単純な作業よりも新しい技術や業務に取り組みたい、挑戦したいと考える人が多い傾向にあります。そのため、ベトナム人技能実習生を雇用した場合には、キャリアプランや期待している役割、目標などを明確に示すと、それに向かって懸命に努力し、より高いパフォーマンスを発揮します。
個人としての目標や昇進プランはもちろん、会社としての事業の展望なども示すと、彼らならではの新しい視点でアイデアや結果をもたらしてくれるかもしれません。短期的な目標、中・長期的な目標をバランスよく示しながら、成長できる環境を用意することが良い関係を構築できるポイントといえそうです。

ベトナムとの租税条約はあるが、技能実習生は免税対象外

実務的なポイントとして、税金に関する注意点があります。
技能実習生は原則として賃金から所得税と住民税を天引きされますが、その国が日本との間で租税条約を締結している場合には税金が免除されることがあります。ベトナムの場合、日本との間に租税条約は締結されていますが、その免除は日本国外で支払われたものに限定しています。そのため日本で給与が支払われる技能実習生の場合には原則通り課税となっているため、免税の対象外となるので注意しましょう。

ベトナム人技能実習生の特徴 まとめ

日本で最も多い外国人労働者であるベトナム人。技能実習生として今後ますます、日本での受け入れが増えていくことでしょう。技能実習生に関しては賃金や労働環境についてさまざまな問題点も指摘され、実際に悪いニュースとして報道されることもありますが、受け入れ企業はベトナム人技能実習生たちが背負う母国での状況をしっかりと把握し、適正に彼らの能力を評価し、お互いにとって成長できる関係が続くよう努力することが大切です。

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